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大阪工業大学
ブレースが偏在する平屋鉄骨造建物の地震応答特性に関する研究
中島涼輔 / 空間デザイン学科 構造デザイン研究室
- 1.序論
- カーディーラー等の店舗系建築は商品が見やすいようにファサード側をガラスにし、柱も極力細くする。バックヤード側の閉鎖的空間はブレースを配置し、建物の剛性と耐力を高めることが期待出来る。しかしこのような建物が地震力を受けた場合、重心と剛心がずれ、ねじれ振動が起こる可能性がある。現行法の建築基準法では建物のねじれ振動を評価するために偏心率Reが用いられている。
偏心率が大きい場合、ねじれ振動が大きくなり変形の大きい部分から塑性変形が進行し、建物が崩壊していく可能性がある。
しかし既往の研究では、「ねじれ振動や偏心率の評価方法などに関しては十分に解明されていない部分が多く、当面の課題として研究が進められている」と指摘されている。すなわち30年たった今でも、ねじれ振動や偏心率について充分に解明されていない状態が今日まで続いているということである。
本研究の目的は偏心率の大きい鉄骨造建物の地震応答解析を行い、ねじれ振動や偏心率の評価方法を明確にする。
- 2.地震応答解析
- 本研究の対象建物は平屋鉄骨造建物でブレースを4パターン配置したモデルについて地震応答解析を行った。
- 3.結論
- 偏心率による影響を調べた結果、地震応答解析によって偏心率の大きさに関係なく床面のねじれは静的解析結果に比べ非常に大きくなることが確認された。これは現行法において偏心率による影響を適切に評価出来ていない可能性があり今後は詳細な検討を行う必要がある。