大阪工業大学
屋台が並ぶ歩行空間における視覚行動特性に関する研究
中部聡美 他6人 / 空間デザイン学科 建築歴史文化研究室
- 1.研究の目的
- 寺社の祭礼時、参道に屋台がつくる参道空間は、近代科学・工学も用いられていないにも関わらず、現代を生きる人々でにぎわいをみせている。屋台、あるいは屋台が連続する空間に、にぎわいを演出する仕組みが隠されているのではないか。本研究では、屋台がつくる参道空間における歩行者の視覚行動に注目し考察を試みる。
- 2.実験の方法
- 本研究では、参道空間に屋台が連続して立地している場合(以下、屋台あり)と、屋台が立地していない場合(以下、屋台なし)、の状況を設定し、各状況における参道空間を歩く被験者8人の視覚行動について考察を行う。この実験は、大阪府大阪市にある住吉大社の参道で行った。なお実験は以下の手順で行った。まず実測調査の情報を基に、参道と屋台の設置関係を図で示した。また両実験では、被験者の注視点を記録する装置として「EMR-9」を用いた。
- 3.実験映像のデータ化
- 本研究では、各状況における実験結果から『分析シート』を作成した。
- 4.分析・考察
- ここでは、3にある『分析シート』から、参道空間における被験者8人の視線方向についてグラフを作成し、考察する。このグラフのうち、横軸は時間軸、縦軸は被験者の視線方向を示す。
本研究では、今回の実験結果から、屋台ありの参道歩行者は、視線行動にリズムをもっている可能性を指摘できた。本研究では、この視線運動が賑わいを演出する可能性をもっていると考えている。