大阪工業大学
ペンで描くイラストレーション
林 美咲/ 空間デザイン学科 ヴィジュアルデザイン研究室
ペン画は、線の密度と濃淡だけで質感を表現することができ、また力強さや繊細さを表現できることが魅力である。アールヌーボーは、動植物の有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性を特徴としている。この特性から、動植物を連想させるモチーフを抽象的に描く方法を模索した。生き物は、直線的な部分がなく有機的な線のみで描くことができ、またシルエットにすることで抽象的な捉え方もできる。
完成した原画をどのように応用して作品にするかを検討した。原画をパソコンに取り込んで色を変えることにより、表現の幅が広がり、絵の印象もかわる。原画として選んだ種子の抽象的なモチーフを活かせる団体・組織を探した。そして、標語と種子を組み合わせることで、緑化や自然、成長感といったイメージを与えられるような6種類の連作ポスターを制作した。モチーフ、標語、機構の活動内容のレイアウトとホワイトバランスにも配慮して制作し、ペン画の可能性を自分なりに表現できた作品となった。