大阪工業大学
共奏する波 -歴史的建造物との共存-
橋本歩実 / 空間デザイン学科 建築デザイン研究室
近年文化財保護法の改正により各地で歴史的遺産を保存する取り組みが注目されるようになった。これまで文化財として評価されてきた建物と並び、親しみや懐かしさを感ずる歴史的な建物も保存していこうという取り組みだ。しかし日本全国には歴史的建築物として注目されているもののうち放置されている建物がまだまだ残されている。私はそのうちのひとつ、大阪城公園内に位置する「旧砲兵工廠化学分析所」を保存・再生する計画を行った。
この特徴的な波のような外観は時代の流れを表し、その中に既存の建物が凛と建つ様は時代の積み重なりを表している。新・旧は1階・2階・ 地階でそれぞれつながり、公園内を利用する人々のための商業施設や飲食店を配置している。様々な場所からちらちらと赤レンガの建物がうかがえ、 訪れる人々は新・旧一体となった不思議な空間を楽しむことができる。