大阪工業大学
かんなくずを利用したプロダクトの提案
辻口美樹 / 空間デザイン学科 プロダクトデザイン研究室
何度も林業の現場に足を運び、現実を目の当たりにし、たくさんの人たちとお話をしました。 先代から受け継がれてきた、自分が生まれるよりもっと前から守ってきた資源の最後の最後まで「これももう少し使えそうなんだけど」と悩む姿がありました。木っ端やかんなくず、製材をする過程で出る廃材ですが、これも先代から守ってきた大切な木一本の一部。それすらも大事に思う姿に、私は感銘を受けました。
かんなくずを積層して、強度を持ち、より自由な成型が可能になったこの制作方法は、容器以外にも、工芸品、雑貨、ノベルティなど、様々な可能性を秘めています。その中で今回お弁当箱を選んだのには「山の恵みを感じてほしい」という気持ちが込められています。山の人たちが大切に大切に守ってきた山が、私たちの生活をどれだけ支えてくれているか、今一度感じてもらえたらと思うのです。