大阪工業大学
芽吹茶 -贈り物としての新しいティーセットの提案-
服部莉加 / 空間デザイン学科 プロダクトデザイン研究室
芽吹茶は離れて暮らす大切な人へ安らぎの時間と気持ちを贈るためのティーセットだ。絵本の中の幻の木の実というテーマで、植物が芽吹く様子をモチーフにしている。お茶の濃縮液体が入っているゼラチンカプセルの周りに形状記憶合金が巻きついており、木の実の形になっている。 そこへお湯がかかると合金がほどけ、中のカプセルが溶け出してお茶が入るという仕組みだ。合金は草花をかたどったマドラーへと変形する。カップとコースターは、植物を潤す存在としての水をモチーフにしている。全てのツールはパッケージ兼使用手引である絵本に収納されており、使用済みのマドラーを押し花のように収納することもできる。物語がお茶の入れ方を誘導してくれるので自分が物語の中に入り込んだ気持ちになり、 忙しい日常を少しの間でも忘れることができる。 最後に小さな手紙がついている。送り手のメッセージによって物語が完結し、世界に一つしかないティーセットになる。