拓殖大学
字体の省略を施したオリジナルタイプフェイスデザイン
土井翔史 / 工学部デザイン学科 視覚デザイン研究室
文字を構成する要素を省略したオリジナルタイプフェイスデザインを行った。伝達手段として存在している文字は通常、視認性・可読性・判読性が求められることが多い。しかし、そこに対する読み手側の文字への意識とはつり合いがとれていないのではないかと推測した。そこから字体を省略し字形を探らせることを可能にすることで文字を体験させる機会を与えようと考え「読みにくさ」というテーマを元に制作を行った。字形は主に直線的な画で構成し、全体に丸みを帯びた形状のデザインプロセスを活用した。そして画と画との間には接点を設け、斜めの線を意識したデザインを行った。斜めの線を字形に組み合わせたことで、文字の持つ意味を変えることなく字体の単純化を可能にしている。今回制作した文字は個々での存在より、単語単位での使用で生きてくる書体であると考えており、カリグラフィーでもなくディスプレイ書体でもない、組むことで表現される文字として作りこんだ。