拓殖大学
中国結を取り入れたインテリアアイテムの提案
胡 エンテツ / 大学院 用品設計研究室
中国結は、人々が身につける、身の回りに置く民間手工芸品であり、古くから刺繍や織物などとともに女性の仕事として受け継がれてきた。
もともと中国結という名称はなく、ひもを結ぶ工芸とされていたが、1981年、中国結を体系的にまとめた陳夏生によって中国結という名称がつけられた。
中国結は、古くは身分を表す装飾品として、衣服飾りや室内調度の装飾に用いられていたが、王朝時代が終わり、中華民国の建国、文化大革命とともに、一旦、姿を失いかけたが、先に述べた陳によって再び生活の中に取り入れ始められた。現在の中国結は、正月飾りの他、装身具として市場に並んでいるが、中国結の種類は少なく、その他の活用例はあまり見受けられない。本研究では、現在見られる中国結の種類や用途が限られている要因を明らかにし、より多くの場面で中国結が使用されるよう、その方法を提示することを目的とした。中国の人々の中国結に対する認知度や意識を明らかにし、また、中国結が持つ感覚的性質を把握することによって、中国結による新たなデザインや用途を提案した。