拓殖大学
心理量を物理量に置き換え評価するツール
大越 嶺 / 工学部デザイン学科 感性インタラクション研究室
人が落ち込んだり不安に感じたりするような、所謂負の心理量を第三者に伝えることは難しい。負の心理量を可視化し、数値化することができたら医療の現場をはじめとして、避難所など、その応用範囲は広いと考える。
本ツールは、日本人成人男性の平均身体寸法を基に、頭部、胴体、大腿部、下腿部から成り、それぞれを繋ぐ関節部分は折り曲げることが可能である。落込み具合や抱えている不安量に合った形(姿勢)を自由に表現できるため見えない心理量を可視化することができる。
関節部分には、抵抗を組み込んで適度な操作が可能となっており、その抵抗値をマイコンにより各関節の角度として瞬時に数値化することができるため、負のイメージ心理量を数値化することが可能である。
本ツールを、成人を対象として評価実験を行ったところ、従来の5段階評価と比較して同等以上の有効性が見られた。特に本ツールを使うことでコミュニケーションの機会をもたらすという点で有効であった。