拓殖大学
知的障がい者を対象とした歯磨き支援アプリのデザイン要件
富澤俊紀 / 大学院 コミュニティデザイン研究室
本研究は、知的障がい者の歯磨き支援を目的としたiPad用アプリケーションの制作と検証をとおして、その学習効果を促すためのデザイン要件を考察したも のである。アプリの制作にあたっては、人間中心設計(HCD)の手法を用いて開発を行い、ユーザビリティやユーザエクスペリエンスを高め、より実用的なアプリケーションを目指した。具体的には、行動習得の手法としてスモールステップ法と強化刺激を用い、複数の支援施設における使用実験に加え、歯科医のアドバイスを仰ぎながら改良に取り組んだ。完成したアプリは、「ひとりでみがく」と「ふたりでみがく」の2つのモードを選択するトップ画面と、口内のイラストを中心とする歯磨き部位を指示するメイン画面で構成される。歯磨き時間は3段階でメイン画面上部で選択する。「ふたりでみがく」モードでは口内イラスト上の歯が16部位に分かれており、直感的な操作ができるよう、それぞれの近くに開始ボタンが設けてある。歯磨きの進行とともに報酬イラストが表示され、声かけが再生される。最後に、知的障がい者のADL獲得支援のデザイン要件について整理した。