拓殖大学
立体認識を目的とした表色系変換ツールの提案
家子 天 / 工学部デザイン学科 造形計画研究室
PCモニターの色はRGB(R: Red, G: Green, B: Blue)の加法混色によって表現され、原色毎に255を最大値としている。しかし、0~255で表されるRGB各色は、明るさや鮮やかさの強度関係が均質になるように計画されたものではない。このことは、人の知覚特性に適した明度、彩度、色相の各値に変換することで確認される。
そのため、RGBで表現された各色値を直観的に捉える手法は見当たらず、デザインや研究の現場でRGBを用いて色彩計画を行うことは困難となっている。
そこで、本研究は明度、彩度、色相の3属性による立体認識を目的とした表色系変換ツールの制作を行った。
色立体に用いた表色系はL*a*b*表色系である。L*a*b*は補色空間の一種で、色同士の心理的な距離感が均等になるよう計画されており、RGBを含む多くの表色系を包括しているためである。ツールの制作はprocessingを用い、変換対象としたRGBプロファイルは、世界的な基準であるsRGBと adobeRGBである。ソフト上の色変換に用いた変換式は、RGBから一度XYZ表色系を経由し、L*a*b*表色系に変換するというものである。