拓殖大学
視触覚を利用した痛みのデジタル評価ツール
大姶良義将 / 工学部デザイン学科 感性インタラクション研究室
小児医療の現場では、どれくらい痛いのか、どのような痛みなのか、を知ることは重要であるが、それを子どもが第三者に伝えることは難しい。そこで、先行研究としてその有効性を確認済みの実際に手に持って痛みのレベルを伝えることができるツールを応用して、痛みのレベルと痛みの周期(ズキズキ、ズッキンズッキンなど)をiPad上で容易に表現でき、第三者に伝えることができるアプリを開発した。
画面上を横方向にスワイプするか長押しをすると中央に表示した三次元の星形の凸が変化し痛みのレベルを表現でき、縦方向に同様な操作をすると凹凸を繰り返す早さが変化し痛みの周期を表現することができる。
本アプリの有効性を検証するために成人を対象として今までに体験した痛かった経験を五つ挙げてもらい、それぞれの痛みについて既存のVAS(10cmの線上の右端を痛み最大としてどのくらいの痛さか印をつける)との比較を行った。その結果、VASに則した結果を得ることと、痛かった経験を思い出しやすく一つの痛みについてしっかり表現できたという評価を得ることができた。