金沢美術工芸大学
RUSH SERIES イグサのあるくらし。
西岡 大貴 / 美術工芸学部 デザイン科 製品デザイン専攻
近年、畳からフローリングへと変化する「畳離れ」による結果、イグサの生産量は激減している。優れた日本のオリジナル素材にも関わらず、国産イグサ自給率は18%を下回るのが現状である。そこで私は、イグサ本来の特性を活かすため、従来の成型合板にイグサを編み込んだ層を同時に成型する「イグサ編み込み一体成型合板」という技法を発案した。私はこの技法をアイデンティティとしたブランド「RUSH SERIES」を展開し『イグサのある暮らし』をコンセプトにファニチャーシリーズを発信する。ラウンジチェアーでは、座面と背面のスリットが弾力性を生み出し、イグサへの通気性を与え独特の心地よさを演出する。また、あぐらを十分にかくことができる快適性とサイズ感を実現した。その他、通気性を活かしたパーテーション、透過性を活かした照明器具などの展開が可能である。文化が錯綜する中、ニッポンの素材であるイグサを暮らしに据えることで日本人本来の感覚を呼び覚ましてみてはいかがでしょうか。