金沢美術工芸大学
Ruhe
和布浦 朋恵 / 美術工芸学部 デザイン科 製品デザイン専攻
近年、病院は入院患者に対するケアに力を入れており、患者1人あたりの使用空間を広くするため6人部屋を減らし、4人部屋や個室を増やしている。またベッドから身体を動かすことは患者の身体や心、脳に良いため積極的に離床が勧められている。しかし現在の施設環境では、患者が気軽にカーテンの外に出て過ごしたいと思うことは難しい。そこで私は患者が前向きに離床し、1日でも早い回復に繋がるコミュニケーションテーブル&スツール「Ruhe」を提案する。Ruheは病室内で様々な過ごし方を可能にするため、患者が気軽にベッドの上から移動することをサポートする。食事をしたり趣味の時間を過ごしたり、お見舞いに来た人との談笑スペースにもなる。また2つのテーブルを合わせることで円卓として同室の患者との会話を楽しむことも出来る。テーブルの天板下には3つのスツールが収納可能、スツールは座面下に荷物が置ける。テーブルの後足にはタイヤ、スツールにはキャスターがついているため容易に移動が可能。また清掃しやすい形状や素材を考慮し、座面にはアルコールで拭き掃除ができる張り材を採用した。患者にとってRuheが憩いの場となり、治癒の活力に繋がることを期待する。