金沢美術工芸大学
恋のアンダンテ
田中 翔 / 美術工芸学部 デザイン科 視覚デザイン専攻
楽譜と人生はよく似ています。楽譜では楽器やボーカルなどそれぞれのパートが、掛け合い、ハモリ、ユニゾンなど、様々に絡み合って曲を形づくっています。人生ではひとりひとりが、自分の道をすれ違いや思いがけない出会いを通して、成長しながら前に進んでいきます。このふたつに共通する面白さを、今回はデュエットの歌にのせ、男女の恋物語で表現しました。タイトルにある「アンダンテ」とは、音楽用語で「歩く速度で」という意味です。行く先にどんな展開が待ち構えていようとも、ゆっくりでもいいから前に進んでいくことで、曲は完成に近づきますし、人生は少しずつ好転していきます。僕はデザインと音楽がコミュニケーションの触媒になって、さまざまな人やモノと出会い、成長させてもらいました。そんな学生時代の集大成として、この作品を制作しました。卒業しても、困難の先にたくさんのドキドキがあることを信じて、「アンダンテ」で人生を進んでいきます。