繊細なレース模様の切り抜かれた紙、「レースペーパー」をかたどったグラフィック作品です。様々な形が繰り返され、複雑に絡み合いながらも、ひと繋がりの美しい模様が作り出される。そんなレースペーパーの特徴は、人間が作り出す世の中と共通していると私は感じました。争いごとや様々な問題を起こしては、悲しみ、後悔して、より明るい未来へ向かっていく。きれいなことばかりでは無いけれど、それらがひと繋がりになって織りなされる世の中の美しさを、真っ白な紙に刻んでいます。いい加減に扱えばたちまち壊れてしまいそうな、人と人との繋がりの繊細さと、その上に成り立つ、人間ならではの営みの魅力を感じていただければ嬉しいです。