金沢美術工芸大学
圧縮成形加工によるテーブルウェアの提案
廣村 沙也加 / 美術工芸学部 デザイン科 製品デザイン専攻
日本は国土の7割が森林に覆われている自然豊かな国である。その森林を保全するためには間伐が必要不可欠だが、現在多くの間伐材が使用されることなくゴミとして処分されている。この現状から私は圧縮成形加工によるテーブルウェア soma [ソマ]を提案する。圧縮成形加工を間伐材に施すと、純木製でありながら薄く耐衝撃性を持ち、挽物ではできない自由な造形が可能である。以上の特性を活かした形を、繰り返しラフモデル制作することで厚さ1mmの形状を導き出した。皿底が少し盛り上がっている形状が自然と高台を作り出し、また指が引っかかるので持ちやすさもサポートする。さらにその造形が皿自体の強度を高めている。毎日の食事はもちろん、ホームパーティーなど特別な場でも使用でき、やわらかな使い心地と木の素材感が料理をより引き立てる。今まで利用価値の低かった間伐材に新たな価値をつけることで、木材自給率が3割以下である日本の林業の衰退に歯止めをかける転機となることを期待している。