金沢美術工芸大学
大福~アンハッピーとハッピーの甘い関係~
齊藤 佳奈 / 美術工芸学部 デザイン科 視覚デザイン専攻
生きていると、大なり小なりアンハッピーなことがあります。日々の生活の中で、ついついそれを甘く丸~くおさめてしまいます。けれども、ハッピーになることはそんなに甘くはないようです。大福は「大きな福」という字を書きます。現代において、だれもが大きな幸せを求めながらも、目の前のアンハッピーをなんとか丸くおさめて生きています。ときにはどうすることもできない困難に立ちすくむこともあります。しかし、そういうある意味で甘い、ほどほど、なあなあなやり方で本当にハッピーになれるのでしょうか。そもそも幸せとは何なのでしょうか。私自身のことなかれ主義への自戒の念から、皮肉を込めて表現しました。