東京造形大学
抽出と変容による造形展開とデザインへの応用
柴垣 瑛才 / デザイン学科インダストリアルデザイン専攻領域
デザインは荒野に解き放たれた。
社会的な理念や哲学に基づかず、造形的な規範のない現代のデザインは混沌としている。造形のプロセスは公にされることなく、いつの間にか私たちの目の前に現 れる。この状態は、東京という都市構造における自動性に似ている。内なる欲求から形が生まれるのではなく、外部からの要請によって形が生成される。デザイ ンにおける造形行為は近い将来外部化し、プロセスが記述されることによって各要素への認識が促される。
これらの輪郭を見据え、実験的に行うべく、目的を設定せず外部のオブジェクト(石)を拾い上げた。断面を抽出し、単純なルールに基づいて形状を操作して、1,320にも及ぶ形状のデータベースを得た。データベースを得た上で目的(GLASS,JUG,BOWL,TIMER,VASE)を設定し、起源であるオブジェクト(石)を意識しながら形状を選択し操作を加えることで物の姿を得た。