東京造形大学
白い蟷螂の巣
山本 英 / デザイン学科映画専攻領域
この『白い蟷螂の巣』という作品は卒業制作ということもあり、とにかく自分の好きなことを盛り込んだ作品です。
今まで自分が影響を受けてきた映画の要素が至る所に散りばめられているような気がします。ですので今作に取りかかるに至りどんなに現実的でないシーンも撮影してみようと思っておりました。
またこれは私の入学当初からの願望だったのですが、私の生まれ故郷である広島で中、高を共にした友人達を映画に出したいという気持ちが強くあり、意を決して全くの素人である彼らを自分の映画に引きづり込んだことは、とても刺激的な事でした。地元の友人達は全く映画とは無関係の仕事や学校、またバンドマンであったりと彼らには彼らの世界がちゃんとある中で自分の映画で自由にのびのびと演技をする姿を見ていると、思うず心の奥が熱くなる事も多々ありました。今作の制作途中で人間が人間を演じるということは何か、ほんの少しだけ手がかりを掴んだように思えます。
役者と監督という関係においてこれほどまでに密接な環境を築けたことはかけがえのない経験でもあり大切な思い出です。