東京造形大学
ふせんされたせかい
中西 七海 / デザイン学科アニメーション専攻領域
私は考え事をする時、明かりを消して真っ暗な部屋で一人、じっと闇を見つめている。
すると、16歳の私もじっとこちらを見る。
わたしにはいじめを受けていた友達がいた。お互い絵を描くことが好きで、不器用な二人を繋いでくれたのは、一冊のノートに描いた絵だけだった。
私が常に肌身離さず持っていた小さなノート。その中には16歳の少女が住んでいる。彼女はクリエイティブだけどプライドが高い。私は制作の度に彼女と葛藤 しなければならなかった。だが同時に私の制作の原点でもあった。しかし、アトリエに火事が起きて、ノートが半分焼けてしまう。救い出さなければ、私は友人や、自分の過去、未来も全て無くす事になってしまう…。
自分が書いてきた日記を元にシナリオを作成し、自身のクロッキー帳をもう一人の私として捉え、3つのプロジェクター投影によるインスタレーション。右、左、中央の順に、16歳の少女、現在の私、ノートの中身が映し出されている。実際に映像の前に立ち朗読劇も行う。