東京造形大学
鹿島灘
平本 倫子 / デザイン学科写真専攻領域
鹿島灘は茨城県東部の大洗岬から千葉県東部の犬吠崎に広がる太平洋の海のことを言う。灘とは風波が荒く航海の困難な海を指す。そのせいか、船はみあたらない。ランドマークらしいものはなく、ただただ海に高い波が落ちていく。
海風が町に流れ込み、草木を乾かす。人が立ち去ったあとを風が通り抜ける。茫漠とした空間がこの町を覆う。
町に点在する建物は海風にさらされ新しくなり、広々とした道には黒い影が落ちる。港町によくみられる集落とはどこかちがう。開拓地と未開拓地の間とでもいうのか、
ここにはフロンティアな景観が広がる。
このエリアを写し出すことで海に囲まれた国、日本に生み出されたニューランドスケープを探り出す。