東京造形大学
風の草
伊藤 芙実 / デザイン学科写真専攻領域
なんの変哲も無い河原の道も、突然日常から切り離された空間が現れる時がある。そこに広がる静かで落ち着いた空間は、心地よさを感じさせつつも、まるで自分の意識をどこか遠くへと運んでいってしまうような感覚にさせるのだ。撮影した景色の中にあるのは、日に照らされた草や土などであり、特別何かがあるわけではない。しかし、そこには確かに心地よいと感じさせる空間が存在している。この空間を探し歩き、強く感じながら写真を撮る事で、そこにある物ではなく、空間や感情を写しとった。