東京造形大学
WAVE
森井 楓貴 / デザイン学科グラフィックデザイン専攻領域
僕は毎日と言っていいほどいつもサーフィンをしているので、海を常に肌に感じて生活をしています。サーフィンをしている時に様々なことを考え、より自分と向き合う時間にもなっています。
波を待っている時、「空が反射し海に映って鏡を敷いているみたい」っとよく思うことがあります。それをさらに強く感じた事がありました。それは、波も風もない日にスタンドアップパドルボードに乗り遥か沖まで行った時です。何もない海の上に立って水平線を見ていたら、今までにない感覚になりました。目の前には空が反射した海が広がり、静かで誰もいない自分だけの空間に居るような気持ちになりました。そしてなにより波に乗ってチューブの中に入った瞬間というのは、言葉に表せられない感覚です。
チューブライディングはタイミング、スピード、ポジショニングのすべてがコントロールできなければチューブの中にとどまる事ができません。そのすべてができた瞬間、時間が止まったかのように長く感じます。音も消え特別な時間を味わう事ができるのです。
サーフィンをしてない人には絶対に体験する事のできないその時間と空間を多くの人に体感をしてもらいたいと思いました。そしてこの波全体がミラーになっている作品を作りました。中に入って波の不思議さ、力強さ、を体感してください。僕にとって波というのは自分の内面と向き合う事ができる鏡なのです。