大阪工業大学
じぃばぁの家
山本穏和 / 空間デザイン学科 建築デザイン研究室
高齢者の方の姿というものを考えた。一人で居る時間も大切であるが、他者との会話や共感を欠落してしまうと自分の世界を狭いものにしてしまう。そこで私は「人と関わるきっかけを生み出す空間」のある地域密着型の小規模高齢者福祉施設を提案した。敷地は滋賀県大萱の古い集落を選んだ。道路と敷地の境界が曖昧であることから、地元の人間という限られた者しか通らない中道による、奥行きでプライバシーを守るという地域特性を活かす人の流れを作ることを考えた。この地域特性を踏まえ、地域に適し溶け込むようにするため、きっかけの空間として内と外の境界が曖昧な軒先を選んだ。軒先で利用者や地域の人とのコミュニケーションを図る建築である。