大阪工業大学
母の家
井上 彬 / 空間デザイン学科 建築デザイン研究室
母の家。47歳の一人暮らしの家。母の要望は使いやすいキッチンと開放的な水周り、使いやすい収納。そして、還暦を迎えると小料理屋を出したいということであった。敷地は、将来的に小料理屋を出すということから地下鉄の駅や商店街からも比較的近い住宅地内の角地を選んだ。内からすっと伸びた2本の外壁、それに掛けられた外に繋がる収納棚、木の下の外キッチン、3段階に広がるリビング。それらは外と内の境界を曖昧にし、都市に開いた空間になる。居住者は外に生活のシーンを広げていき、近隣の人は敷地内に行動の範囲を広げていく。このような空間があれば、町が楽しくなるのではないかと考えた。