卒展レポート

金沢美術工芸大学

第61回 美術工芸学部卒業制作展

  • 現代に節句の本来の姿を落とし込むためのサービスデザイン研究
  • 現代に節句の本来の姿を落とし込むためのサービスデザイン研究
  • 現代に節句の本来の姿を落とし込むためのサービスデザイン研究

現代に節句の本来の姿を落とし込むためのサービスデザイン研究

成子 夏芽
大学院美術工芸研究科 デザイン専攻 環境デザインコース

江戸時代に制定された五節句は、現代では暦の改変等による理由で衰退し、形骸化してしまった。しかし五節句には、おもてなしの心など日本人らしい要素が含まれており、これらを現代に合わせた形に落とし込むことによって、グローバル化する中で日本の独自性を生む一つの手段になるのではないかと考えた。本研究では「サービスデザイン」という手法を用いて、モノではなく「コト」に主軸を置き、五つの節句それぞれをモチーフとしたイベントのデザインを行った。結果として「せちえはこび」という、新たな節句のプラットホームを作り上げた。それは和菓子業界とのコラボレーションによって生まれ、一つの事業という位置付けである。しつらえ、ワークショップ、メッセージという三つの柱を空間デザインの視点で総合的にデザインした。節句の知識を広
めながら若い世代に和菓子を継承し、新たな日本文化の発展を促す研究となった。

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