卒展レポート

金沢美術工芸大学

第61回 美術工芸学部卒業制作展

  • 情報・電力・通信のインターフェースとなるストリートファニチャー
  • 情報・電力・通信のインターフェースとなるストリートファニチャー
  • 情報・電力・通信のインターフェースとなるストリートファニチャー

情報・電力・通信のインターフェースとなるストリートファニチャー

山田 竜也
美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻

携帯電話が普及した現代でも、東日本大震災のような電力不足時では公衆電話のニーズがある。しかし公衆電話は日常的な需要の少なさ、コスト回収の困難さなど、そのあり方には問題がある。そこで公衆電話の増設ではなく、携帯電話を充電できる状況を作ろうと考えた。加えて、増加する海外からの観光客や移住者、さらなるIoT化などから、多様化するニーズも踏まえる必要がある。そこで、街の情報・電力・通信のインターフェイスとしてのモジュールベンチを提案する。街に点在する公衆電話のあり方をヒントに配置したベンチは、公共モバイルバッテリーを内蔵している。非常時にはベンチについた取り出し口のロックが解除され、バッテリーを持ち出して携帯電話を充電できる。さらにタッチパネルや照明型ネットワークカメラなどをモジュールとして取り付けることができ、設置場所のニーズや技術進歩に対応する。そうすることで非常時だけでなく、普段から利用されることが期待される。また、これらのネットワーク化されたモジュールはカメラやセンサーによって人の流れなどの匿名データを集め、まちづくりへの活用や、データ提供により収益を生むという展開も想定する。これからの街に不可欠な「データを集めるインフラ」という新しい役割も担うのである。

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