卒展レポート

金沢美術工芸大学

第61回 美術工芸学部卒業制作展

  • met pack<br />– 防災を生活の一部とするための研究と提案 –
  • met pack<br />– 防災を生活の一部とするための研究と提案 –
  • met pack<br />– 防災を生活の一部とするための研究と提案 –

met pack
– 防災を生活の一部とするための研究と提案 –

吉田 鈴
美術工芸学部デザイン科 環境デザイン専攻

災害大国日本で暮らす私たち。近年「避難」という言葉が身近に感じられるようになった。しかし誰もが明日被災者になり得ると分かっていても、なかなか対策への行動を起こすことができないという現状がある。そのため私は、日用品に防災用品を組み込み、知らないうちに毎日防災できている「デイリー防災」というコンセプトで研究を進めた。そして防災用品のあり方を見直し、非常時に持ち出す備蓄ではなく、いつも身につけられるものでいざという時に、身を守れる最小空間を作ることはできないかと考えた。
met packは都市部での災害を想定したヘルメットとリュックサックが一体化したカバンである。学校や職場に持っていき、非常時に互いをつなぐ留め具を外してかぶることで素早く頭部を守ることができる。さらに、ヘルメットは平面に戻すことができるため、地面に座る際に、マットとしても使用できる。このような「デイリー防災」がさらに広まることで、自然と無理せず命を守る行動に繋がり、より災害に強い環境を作ることができると考える。

作品一覧