卒展レポート

金沢美術工芸大学

第61回 美術工芸学部卒業制作展

  • Mobitecture <br />2030年の遊動する住まいとしてのモビリティ
  • Mobitecture <br />2030年の遊動する住まいとしてのモビリティ
  • Mobitecture <br />2030年の遊動する住まいとしてのモビリティ

Mobitecture
2030年の遊動する住まいとしてのモビリティ

時岡 翔太郎
美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻

近年、自動運転などの革新的な技術によって、クルマの在り方や概念が変わろうとしている。いま期待されるのは、クルマの存在意義を拡張した、まったく新しいモビリティサービスである。また、近未来の日本において、ツーリズムが産業の主軸になると予測する。移動が常態となる人が増えると、住まい方に対する価値観は大きく変わるだろう。
このような背景を踏まえ、2030年の「遊動のくらし」を提唱する。これは、移動しながらくらすノマディックなライフスタイルである。「遊動」は、多くの地域との交流を加速させる。同時に、ローカルな文化の多様性に価値を感じられるようになる。そのようなくらしのかたちが、10年後の豊かさとなると考えた。
Mobitectureは、2030年の遊動する住まいとしてのモビリティとそのサービス。自動運転EVと、各地にある専用の集合住宅を連携したノマディックライフを提案する。ターゲットユーザーは、自ら発信し活発に交流を求める10年後のアクティブシニアを想定。モビリティと集合住宅は戸別にドッキングし、シームレスに繋がった住まいとなる。さらに、モビリティには住まい手が自由に編集できる空間があり、モジュール式のファニチャーで構成することで、多様なライフスタイルに対応する。
また、集合住宅はソーラーを載せた大きな発電装置、EVは電気を貯める蓄電池の役割を担う。エネルギーの自給自足に向けた、あたらしい住まいでもあるのだ。

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