金沢美術工芸大学
Utility Unit
碓氷修也 / 美術工芸学部 デザイン科 環境デザイン専攻
今日、日本は住宅余過剰時代を迎え、リノベーションやリフォームが注目されています。本研究では集合住宅のリノベーションとして、新たな選択肢のひとつを設備機器という視点から未来の水回りの単位(ユニット)を提案します。
建築には躯体(スケルトン)とインテリア(インフィル)に分けて考える、スケルトンインフィルという考え方があります。これは躯体とインテリアを分けることで、インテリアのみを作り変え、スケルトンを取り壊すことなく、建築の利用形態を変えようとする考え方です。しかし、従来のキッチンや風呂などの水回りの設備は、インフィルに分けられますがその多くは躯体にビルトインされ、動かすことが困難でした。そこで私はその水回りの設備をユニット化して躯体から切り離し、可動性を持たせました。こうすることで、インテリアや部屋の間取りをより簡単に変えることができ、住み手の入れ替えの際やライフスタイルの変化にこまめに対応していくことができると考えました。特に住み手の入れ替えの機会が多い集合住宅では、住み手の人数やライフスタイルに合わせて住み手が部屋の間取りを決めることができるため、大掛かりなリノベーションやリフォームをすることなく部屋を変えることができ、原状回復も必要ありません。
今回は、多様化する豊かな暮らしとその可能性を示すモデルケースを一緒に提案します。これは、これまでにない、未来の自由な暮らしを実現する住宅設備です。