金沢美術工芸大学
まち居間
上原千歩 / 美術工芸学部 デザイン科 環境デザイン専攻
金沢の地に人々の対話があふれる空間を創りたいと考えました。私はこの四年間、今までに触れたことのない様々な価値観を持つ人々との出会いに大変刺激を受け、その出会いは私にとって非常に大きな財産になりました。本提案では私が得た財産をより多くの人に共感してもらい地域の活性化に繋げる事を目標としています。
現在金沢では年間100~300棟の町家が取り壊され続けています。貴重な金沢町家の再生案の一つとして、笠市町に建つ引き取り手のない町家を敷地として改築します。
目標に向け、まずは幅広く多くの人に来訪してもらう必要がありました。そこで混在しているターゲット層を敷地からの距離で三つ(近所・市外・他国県)にわけ、それぞれが来訪する目的(買い物・食事・宿泊)を与えます。そこに集まった人々が自由に対話や交流が出来る場として三つの空間を繋ぐ『まち居間』を設けています。町家という開けた建築で交流の場をつくる事で人々が一つの家族のように話しやすくなる事を可能にします。
さらに、あらゆる人々がボーダレスに対話を育みここで出会った人々が新たなプロジェクトを発足していく等、コミュニケーションの連鎖に繋がる事も期待しています。
『まち居間』は、様々な価値観を持つ人々との対話を促します。“対話って面白い”多くの人にそう感じてもらえたら幸いです。