金沢美術工芸大学
life message
久永真輝 / 美術工芸学部 デザイン科 視覚デザイン専攻
人間と動物。いつからか私たちは、線引きをし、ヒトという生物がさも特別であるかのように傲慢な態度を取ってきました。密猟、虐待をはじめとする人間至上主義的な残虐な行為はその最たるものと言えるでしょう。しかし近年では、生物多様性の意義を理解し、生物としての客観的立ち位置を少しずつ理解し始めています。今作品では両者の関係性の“今”に着目し、そこで生じている問題を取り上げたポスターを制作しました。「家畜と倫理問題」「カラスの大量発生とゴミ問題」「ウイルス媒介者としての蚊の危険性」「放射能汚染とヒト」といった以上4つの問題を題材とし、それぞれに人間へのメッセージを込めました。
動物とより良い関係性を保ちつつ共生していくべきだという考え方がありますが、結局は人間主体の域を出ず、単なるエゴに過ぎないのかもしれません。ですが地球上で最も理性的な生物として、種を超えた存在に対しても思いやりの心を持つ必要があるのではないかと思うのです。