金沢美術工芸大学
介護にかかわる人々の負担を軽減するポジショニングクッション
川口真那子 / 製品デザイン
介護にはポジショニングと呼ばれる専門技術がある。これは筋力の弱っている高齢者の身体にクッションなどを活用して身体各部の位置を設定し、姿勢を安全で快適に保持することを指し、高齢者の快適な生活には欠かせないものである。しかし身体の部位や高齢者一人一人の状態により多様な形状のクッションを使いこなす必要があり、現在のポジショニングクッションでは手間と専門知識が要求される。そこで、複数を組み合わせるのではなく一つで基本的なポイントをおさえ、より手軽に使用できる新しいポジショニングクッションを提案する。身体を支える上で重要な頭、腿、腰を適切にサポートし、背に各パーツを挟み込む構造にすることで、体に触れる部分の不快な凹凸を最小限におさえ、使用している状態でのパーツ位置の調整を可能にしている。すべてのパーツは本体から分離するため洗濯、収納が容易である。加えて一般家庭への販売へと展開することで広く介護に関わる人々の負担を軽減していきたい。