金沢美術工芸大学
sense to scene
- あいだの空間 -
西出衣織 / 美術工芸研究科 デザイン専攻環境デザインコース
本研究では最小限の仕掛けにより、その場の潜在能力を最大限に引き出す可能性を探求した。
長いトンネルを抜けた後に広がる景色、茶室へと続く飛び石、神社の本堂へ続く階段…。完全そのものではなく、完全を求める過程に重きを置く。
主役となる舞台は金沢。その土地の潜在能力を知る事から始まる。浅野川、天神橋少し上流の静明寺から、東山を通り卯辰山登り口の小坂神社を結ぶルートに5つの建造物を計画。人一人がすれ違うのもやっとというほど狭く静かな路地や坂道が続く道の裏側に金沢の美しい景色がある。見慣れた日常の風景から最小限の仕掛けを通して、奥にある美しい景色への劇的な変化と感動の可能性を探求する。研ぎすまされた感覚を持って、光や音により次の場面自体からさりげなく誘われる事を期待している。建造物はそれぞれミニマルな形状・素材で形成。場と場を繋ぐ「あいだの空間」が次に待つ風景を無意識のうちに引き立てる。