武蔵野美術大学
紙-自宅でつくる手漉き紙の素材研究-
内田 里菜 / デザイン情報学科
この作品は、「宅漉(たくすき)」(自宅で紙を漉くこと)を通し、身近なところから紙を見直すことを目的としています。
わたしたちの身の回りには、紙があふれています。それらは、用途に合わせてつくられた「製品の紙」です。では、製品ではない紙とは何でしょうか。それは、まだ用途のない「素材の紙」だと考えます。そこで、紙製品を一度パルプに戻して漉き直し、使用目的を持たない、素材としての紙をつくりました。普段の生活で触れる機会が多い紙製品を用い、自宅で紙を漉いて再構築することで、身近なところから「紙」というものを見直したいと考えたのです。
日本の手漉き紙は、2014年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。作品を通して、注目されつつある日本の紙漉き文化の片鱗を感じ、また、製品ではなく素材としての紙に目を向けるきっかけにしていただけると幸いです。