武蔵野美術大学
黄金の茶室
鷹野 俊輝 / デザイン情報学科
黄金の茶室は1586年につくられた、千利休と豊臣秀吉との共同制作作品である。表面的な華やかさではなく質実な美を尊ぶ利休にとって黄金の茶室の制作は、秀吉の無理難題、いじわるであったとも推測される。しかし利休はひるむどころか見事な黄金の茶室をつくりあげ、賞賛を得た。そのとき秀吉は利休に、自分の地位を揺るがしかねない才気、恐ろしさを感じたのではないだろうか。実際に茶室が完成した5年後、利休は秀吉に切腹を命じられている。そこで、黄金の茶室の金箔部分を全て画鋲に置き換え敷き詰め、秀吉の目に映ったかもしれない黄金の茶室として表現した。