金沢美術工芸大学
Re:NUIGULMI
堅田 真衣 / 美術工芸学部 デザイン科 視覚デザイン専攻
春には東京に引っ越す私の実家の部屋には、小さな頃から増え続けたぬいぐるみがどっさり山になっています。ぬいぐるみは、長年の愛着があったり、かわいらしくて生き物のように思えたり、もう使わなくてもなかなか捨てられません。それは私の部屋だけの話ではなく、世の中にはそんな部屋の片隅で何年も眠っているぬいぐるみがたくさんあります。そこでそれらを実際に引き取り、おなかをひらいて綿を抜き取り”ぬいぐるみの毛皮”として再利用しました。
一見通常の毛皮のコートやバッグのようだけど、よく見るとたくさんのぬいぐるみの手足や頭がつぎはぎされています。その様子はなんだか不気味かもしれないけれど、”ぬいぐるみの毛皮”というフェイクファーを通して、ぬいぐるみたちにもう一度新しい命を吹き込むとともに、この作品を通して毛皮製品のリアルについても考えるきっかけになればと思います。