金沢美術工芸大学
現代における一汁一飯の器のデザイン
A design of Japanese tableware for simple, healthy and tasteful diet.
今村 有希 / 美術工芸研究科 デザイン専攻 製品デザインコース
現代の食生活を考えるにあたり、「一汁一飯」という簡素で簡潔な食のスタイルに改めて注目し、器から食のあり方や健康を考えました。
健康に食べるために「腹8分目」をキーワードに、やや少量でも視覚的に満足感を与える見え方や、華やかな印象になるように、石膏モデルで数多くの試作実験を繰り返し、大小のお椀の形をまとめあげました。
一般的なご飯の量の「8分目」が自然に盛り付けられるように、お椀Lは150g、お椀Sは100gの内容量の箇所に目安を設けてあります。漆器の技法である糸目挽きや布着せを、機能性や意匠性とともにガイドラインとして活用しました。
さらに手の触れる個所にサンドブラスト加工を行い、持ちやすさの機能を高めるとともに木材の豊かな質感を表現しました。
この2種のお椀と調和する箸とお盆もデザインし、セットで「現代における一汁一飯」の豊かな食の姿をまとめあげました。