金沢美術工芸大学
湯涌カントリーパス
南出 一樹 / 美術工芸学部 デザイン科 環境デザイン専攻
この作品は、人々が自然を歩いて体感することで、その魅力を再発見し、さらに興味を持つようになる空間の創造を目的としている。舞台は温泉のある金沢市湯涌町とし、バス停、公園、橋を主要ポイントとして設け、それらを繋ぐパスシステムを形成することで、地域全体が自然環境のシークエンスとして人々に入り込むように機能する。
バス停は、内部の売場に置かれた野菜や、隣接したスカイウォークからの眺望により地域の様相を堪能できる仕組みとなっている。公園は、湯涌地域の特徴でもあるなだらかな山に囲まれた田園風景を主に体感できる構造を持つ。
来訪者は貸農園において野菜を育て、土を通して自然を体験する事が可能である。また公園全体は“道”としての機能も持ち、シークエンスを歩きながらに堪能できる。続く浅野川に掛かる橋は、歩車分離の形態を持ち、歩く人は水辺まで降りて川をより近くで体感できる。この地域が自然を“歩いて”体感できる形態を持つことで、訪れる人々が自然環境の豊かさに気づくこととなる。