金沢美術工芸大学
動きから習う書道教室
長柄 佳代子 / 美術工芸学部 デザイン科 環境デザイン専攻
手紙を書いたり、年賀状を書いたりという文化が薄れ、スマートフォン等が欠かせない存在となる中で、現代人にとって書道という文化も忘れられつつあるように感じています。そこで、新しい書の魅力を知ることができれば人々は書道に興味を持つのではないかと考えました。
改めて書の本当の魅力とは何かと考えた際、完成した書の作品以上に、完成に至るまでの筆の運びや体の使い方というプロセスに書の面白みがあるのではないかと考えました。書道を習う際の先生と生徒の関係を見直し、お手本をぼんやり眺めて書くという従来の書道教室ではなく、“生徒が先生の筆使いや手の動きを真似て習う”ことのできる書道教室を提案します。
立地は金沢市池田町。
まちなかの住宅地にあって、古くから親しまれてきた旧洋裁教室をリノベーションし、油圧式エレベーターという新しい機能を取り入れ、町の人達が通いたくなるような書道教室を目指すことで、書が未来に受け継がれていく足がかりとなることを願います。