武蔵野美術大学
SQUARE
多田野 正人 / デザイン情報学科
制限されたあらゆる条件下のもとで、人は最適な手段を選択していきます。表現のなかでのルールとはそれの拘束ですが、縛り方次第でそれを凝縮させるものだと思います。ルールという箱のなかで、わたしは表現の最大値を求めたいと考えました。
これはSQUAREというルールのなかでの、残像を使った写真表現の実験です。残像を使って写真に隠されていた視覚表現の可能性を探っていきました。被写体のかたちを正方形にし、色数を4色までとするなど撮影条件をシンプルにしていくルールを設定し、制限された撮影条件下で残像が創りだす表現の質がわかりやすくなるようにしています。
残像はその活用次第で透明感溢れた画面を作り、現実の視覚では捉えることのできない混ざり合う色を魅せてくれます。色彩的にも造形的にも制限されたなかで、残像が導いた世界を見てください。