愛知淑徳大学
受け流す水 寄り添う水 防災機能をそなえた親水空間施設
舩津 楓 / 現代社会学部 都市環境デザインコース
水害が多発する近年。もう防波堤で防御するだけでは限界がきているだろう。そこで、今後くる大地震による津波や洪水にむけて、水を防ぐのではなく受け流す建築を提案する。住まう人々が水のそばで安心して暮らすことのできる集合住宅は、住居空間を安全レベルである5m高い位置に配置し、その下を地域みんなで使える共用部とする。人工地盤からおりている共用部は過去の伊勢湾台風時の被害・想定される津波の高さ・想定される洪水の浸水高さのレベルによってわけられており、常に水の高さを感じながら水の近くで憩うことができる。更に、かつてこの地の産業であった材木倉庫の跡地など、有効に使用されていない現況の街を、再び過去と向き合う災害記念館とすることで有効に活用する。親水空間に防災機能をもたせたことで、災害時の避難場所として機能させ、水の恐怖と向き合いながら安全に賑わいのある親水空間となる。