愛知淑徳大学
まちつなぐ森 ─ 浜松の再生 ─
鈴木 翔馬 / 現代社会学部 都市環境デザインコース
浜松市は時代の変化に対応し発展してきたが、現在では活気を失っている。そこで私は衰退した浜松市街地の再構築を考えていく。
対象敷地は、浜松市街地のメインストリートに隣接する、松菱百貨店跡地。
1945年、浜松は軍施設飛行場があったことや軍需工場が多いことから原爆以外のあらゆる攻撃を受け、焦土と化した。しかし、この土地に建っていた松菱百貨店は艦砲射撃を直接受けながらもそこに形をとどめていた。以降、松菱百貨店は浜松市民にとって「復興の象徴」となり市民の心を支えてきた。ところが、2001年に倒産してしまう。戦火を耐え抜き、浜松の発展を見守ってきたその建物は役目を失い、いつしか浜松の「衰退の象徴」のような扱いを受けることとなった。そして2012年、ついに建物の取り壊しが決定した。市民にとって大切なこの場所に、現在の衰退しきった浜松再生の拠点を構成することで、かつての活気と誇りを取り戻すきっかけを生み出していく。
浜松は多様な要素を持ちながら、それらが絡み合う場所がない。大企業、外国人、独自文化、温暖な気候、浜松人の気質などの要素それぞれが地に根を張り、その根がお互いに干渉し合うことでそれらはまた成長し、大きな実をつけるに違いない。人が集まり流れを生み出すことでその絡み合いがより濃厚なものとなり、活気を生む。これをアート・センターと位置づける。また、以下の4つの項目を達成し、街に還元できる場所を目指す。
1.浜松の市街地に森を作る。2.ブラジル街を形成する。3.遠州鉄道高架下の利用。4.人が歩く街を目指す