今回、私が卒業研究として設けたテーマは「紋様」です。紋様と聞いて思い浮かぶものといえば、物の表面に表された図形や、代々その家で伝えられる家紋などをイメージされると思います。
家紋の数は現在日本だけで241種、5116紋以上の家紋があるといわれており、現在採取されているだけで2万近くの家紋があるといわれております。
その膨大な量が存在する家紋でも、7つの種類に分けられることが出来ます。それは、花紋、植物紋、動物紋、天然紋、文様紋、尚武紋、調度紋という種類に分けられ、そのほとんどの家紋がその言葉の意味や形を元にして、紋様が展開されていると考えられております。
今回、私はこの日本古来のサインに注目し、その中でも幾何学的な形を用いた「文様紋」に注目しました。この紋様紋と言うものはルイ・ヴィトンのモノグラムデザインに影響を与えたと言われている種類であり、特徴として直線と曲線をグリッド上で上手く利用したシンプルな図柄が特徴的です。
私はこの紋様紋の形を構成する上でよく使われる正円、正三角形、正方形の図形をフォーマットとして考え、その中で曲線と直線を用いたオリジナルの紋様を各100点、計300点を制作しました。また、それらを用いてブックや映像など、様々なアプローチで表現し、図形の美しさや、組み合わせによって複雑になったり、シンプルになったりする紋様自身の形の面白さを、今回の卒業研究で表現してみました。
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