JDN トップページ > School@JDN > 卒展特集2011 > 東京造形大学 > 作品紹介
顔で表される景観、景観の中に現れる表情をテーマに、人間を構成する感情や理想を描く。鑑賞者と作品の間に生まれる関係性を主に追求することを目的として表現し、人によっては分かりやすく、直接的な刺激を求めていたいという思いを、常に作品に向けている。イメージは、これまでの経験や想像、現在という一瞬である。毎日を同じように生きている、しかしその日常から得る感情や考察は増えるばかりで、悟ったり、戻ったり、決定したりと変化を続ける。 その中でも一際忘れられないような感覚や景色を、絵として作り上げたいと思い、今回の作品を描いた。5点全てにそのような思いを込めたため、連作とした。悪いことに惹かれる心、崇高なものに惹かれる心、全てを馬鹿な世界だと嘲笑する心、一人では生きていけないと気づいてしまった心、得体のしれないものに興味が湧いてしまう心、多くの感情が周りの景色と混じり合い、中途半端に形作られていくのを、私はとても美しいと思った。そして、その感情を自身の最も大事なものとして確立し、見てもらうことで共有し、存在させることを理想とした。二次元だが確かに存在する世界というものを求め、常に自分の作品を見続けられるような切り口を今回は念頭に置いていた。私の作品と向かい合った時に、人はどう思うのか、その人の世界と関わるのだろうか、言葉にするのがとても難しいような感情を抱くのだろうか。