人体は、60兆という、想像もできない数の細胞で形作られている。私たちを内包する宇宙もまた、無数の星々から成り立ち、私たちの細胞組織同様に、絶えず発生と消滅を繰り返している。
細胞と宇宙の相似性を考えたとき、地上に存在する家や街や人が、この地球の細胞として息づいて見えた。
外へ外へと遠ざかる視界の中で、どんな存在もその輪郭を失い、境界は曖昧になる。「点」となった個は互いをのみ込み、混ざり合い、またひとつの点を造っていく。それを永遠に繰り返して世界は出来上がっている。
世界を構築する要素はただの点でしかなく、全て等しくちっぽけで、等しく素晴らしい。宇宙さえも、さらなる俯瞰の視界において点となるだろう。
これは、細胞と宇宙、さらには生物と地球を意味する点である。はじまりとおわりにあるかたちである。私はこの点のどこかに確かに組み込まれ、今、この中で生きている。
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