地下や窓がなく光がない空間にいると息苦しさを感じる。
そこに1箇所でも光を取り入れる窓があれば開放的な空間となる。
そこで、パブリックアートとしての窓をテキスタイルで表現した。
素材として用いたウールは、発色が非常に美しく、くすみのない色に仕上がる。
この色効果により、コンクートの打ちっぱなしの壁などに飾ったとき、現代建築にありがちな冷たい雰囲気を和らげることができ光となる。また、フェルトやウールは消音効果や断熱、保温、クッション性に優れており、使い込むほど縮絨は促進され、雨風を凌ぐほど強力になる。
このような利点を生かし、パブリックとして成り立つと考えた。そして、文字や写真のような二次元のアートや光、音のようなインタンジブルではない3次元の空間を生み出す表現を目指した。
観る者がその窓を覗いた時に、少しでも自身の世界を窓の外に抱いてもらえるように。
そんな願いを込めて制作した。
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