幼い頃「小さくなっておもちゃの中で遊びたい。」そんな思いを抱かなかったでしょうか?これは大人の為のおもちゃです。
私は、コミュニケーションとは何かを研究していました。その中でも、より深い関係性とはどういうものかと模索しているうちに「幼い頃の遊びの中の人や物との関わり方」に辿り着きました。
大人になりつつある私達は、社会のルールに左右され人や物に対して一つ遠い関係を築いている様に感じます。しかし、幼い頃の遊びの世界にはそれが無いと思いました。幼い頃の遊びと大人の社会、この二つの大きな違いは「物事に対する責任や裏の部分が存在するかしないか」です。ルール、責任、裏…社会に属する為には必要不可欠なことです。しかし、「芸術の世界くらいそんなもの存在しなくても良い。」そう思います。そして私にできることは何なのか、この作品はその一つの答えです。
作品には二つの楽しみ方があります。一つは、近くで観て物に触れて頂くことです。幼いの頃に触れた素材、図工の授業、昔遊んだおもちゃ…などを思い出してもらいたいと思いました。二つ目は、吹き抜けになっている展示会場の階上から小さいサイズの作品を観て頂くことです。小さくなることでよりおもちゃの感覚に近くなると考えました。また、作品で遊ぶ子供達を観て幼い子頃の記憶や思い出を思い出してくれるような場として存在したいと思いました。
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