愛知淑徳大学
空間ミュージアム
藤井 美夏 / メディアプロデュース学部 都市環境デザインコース
毎日の繰り返しの中で、予想通りの変化になれ、飽きている反面、予想外の変化には恐れ、惰性で時を過ごしている。また、情報を共有しすぎて“普通はこうだ”、“みんながこうだ”に縛られてしまい、同じ感想を持とうとする。
しかし、時は常に流れ、昨日と今日、また明日さえ違うはずであるし本当は1人1人見るもの、感じるものは異なっているはずだ。そんな当たり前のことを空間で気づかせることはできないだろうかと考え、空間ミュージアムを提案する。空間ミュージアムは千変万化する情景の体験を通して流れ行く「いま、ここ、そして自分」の融合を体験してもらうことが狙いだ。空間の体験の順番や空間内での視線の動きにおいて絶対や正解がない。変化することが多いほどに時を感じ、異なるパターンが多いほどに自分を感じるということから、キーワードを流動性とする。1階2階というように建築を水平分割することをやめ、高さという3次元固有の要素が消えないように、各空間が空間的に無駄の無い調和した1つの空間を構成していく。各部屋へはいくつかのパターンで行くことができ、より効果的な部分に開口部を設けることで、視線のパターンも増やした。至る所に異なる流れを体感することができる仕組みがある。人の違いよってはもちろん、同じ人でも毎回違う体験をすることを期待している。